児童書‐備忘録

息子と共有した児童書中心。ときどき一般書籍。

浅草を舞台に少年のふれあいと成長を描いた『車夫』

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車夫 いとうみく ★★★
読了日 2023年9月
#浅草 #高校生 #交流と成長物語
小峰書房 2015年11月25日発売


両親の失踪で、高校を中退。打ち込んでいた陸上競技からも、身を引くことになった走。ある日、彼のもとに部活のOBが訪れます。

「お前、車夫やらないか?」

条件は、走ることが好きなこと。そして、顔が良いこと!

 

「イヤな記憶だけじゃなければいいんです、今日が」 p.35

 

苦労や辛さを知っているからこそ、小さな幸せに気がつき、そっと寄り添うことができる。走くんの優しさが随所に散りばめられていて、心が温かくなりました。

 

「いいことも、わるいことも、ぜんぶ消えないし。全部があって、それがいまの自分だから」p.28

 

潔い!潔すぎる!!

頭で分かっていても、失敗した自分、カッコ悪い自分は簡単に受け入れられなくて。悩んで落ち込んで、悩むの繰り返し。

走くんのほうが、よっぽど大人です!!

 

いつか乗ってみたい人力車。

走くんと出逢って、その思いが強くなりました。

 

私たち親子が読んだのは小峰書房さんのハードカバー。3巻まで出ています!文庫本も第2巻まで出版されています。ああ、早く続きが読みたい!